B・Bコラム#18 パフォーマンスの裏側で

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本日のプレイフィールドイベントは

雨のため中止となりました…☔

なんか雨天中止多いなー…

というコトで、今日は予定を変えて

B・Bコラムの再掲をしますね

ではどうぞ!

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#18 パフォーマンスの裏側で

 (2005年5月14日)

皆さんは、もう応募してくれましたか?

 

え、一体何にって…?このコラムを読んでくれてる方なら、大体分かってもらえるかな?先月から募集を始めてる、「スイングスイング」のアイデア募集のことです!(スイングスイングの内容に関しては、「B・Bニュース」参照)前にもコラムに書いた通り、今までスイングスイングのアイデアはほとんど僕一人で考えてたんだけど、これって毎試合ネタ考えるのホント大変なんですよ💦毎日自転車操業でネタ絞り出してる状態で、果たして今シーズン一杯ネタが持つのかどうか?って感じで…。そこで、ファンの皆さんにも一緒にアイデアを考えてもらおうと思い付いたのが、今回のアイデア募集なんですね。これなら僕の思い付かない様な面白いアイデアが出て来るかもしれないし、ファンの皆さんも「自分のアイデアが採用されるかも?」って楽しみが増えるかもしれないでしょ?

募集開始から約1ヶ月、お陰様で沢山のアイデアが手元に届いてます。本当にありがとう!でも、皆さんからの投書を読んでると、「パフォーマンスとは何ぞや?」ってことを改めて考え直す良い機会になりますね。僕も普段人前でパフォーマンスをする時には色んなこと考えながらやってるんだけど、今回はその辺についてのお話を。

 

試合前などに僕がパフォーマンスしてる時って、皆さんの目には僕はどんな感じに映っているんでしょうか?ただ思い付くままおフザケしてるように見えたりするのかな?(笑)確かに、あらかじめアレコレ考えたネタよりもその場のヒラメキで取った行動の方がウケることが多いのは事実です。だけど、実はその裏では常に色んな計算を働かせてるんですよ。

パフォーマンスする上で、僕が常に肝に命じている大原則があります。それは、僕は「見せる側」にいる、ということ。僕は何万人ってお客さんの前で「パフォーマンス」をしている(何万人全員が僕を見てるのかどうかは分かりませんけど)。ごくごく当たり前のことなんだけど、ただ自分が個人的に楽しむためだけにやってる訳じゃないんですよね。もちろん自分自身が楽しめないようでは人を楽しませることなんて出来ないけど、忘れちゃいけないのは、「やってて楽しいこと」と「見てて楽しいこと」は必ずしも同じではない、ってことなんです。パフォーマンスする時、自分で「やってて」楽しいからと言って、それが見てるお客さんにとっても面白いかと言うと、必ずしもそうではない。僕らは「見せて」ナンボの商売だから、お客さんの目線から「見てて」楽しいことをまず第一に考えなくちゃいけないんですよね。そうじゃないと単なる自己満足で終わってしまう。

わかりやすく言うと、例えば試合前ベンチ内での僕と選手との絡み。あれ、やってる僕としては楽しくても、スタンドから見てて何やってんだか分からなかったらやってる意味がない。だからまずスコアボードのビジョンにちゃんと映っているかどうか確認した上で、遠くのお客さんから見てもよく分かるような動きをするように心掛けてます。

そういう意味も含めて、ビジョンの役割は大きいですね。グラウンドは広いから、例えば僕が外野にいると、バックネット裏に座っているお客さんには豆粒ぐらいにしか見えない。そこでビジョンが大いに役に立つ訳です。ビジョンがあれば、ほぼ球場全体のお客さんに僕が何をしてるのかが見えるでしょ?だから僕はパフォーマンスしてる最中、常に横目でビジョンをチェックしてますよ。カメラの位置とか角度とかね。

上手なカメラマンさんだと、こっちの意図をしっかり理解してくれて「あうんの呼吸」が成り立つんでやりやすいんですよ。例えば僕が「もっと寄って~」ってジェスチャーをするとアップで映してくれたり、何かネタをやりたい時にバッチリ良い角度で撮ってくれる。逆に慣れない球場だと、せっかくこっちがネタをやろうとしてるのにカメラが違う所に切り替わってたり、呼吸が合わない時がままありますね。それから地方球場になるとビジョンがないんで、その時は当然こっちもやり方を変えて、スタンドのお客さんに直接アピールするパフォーマンスに焦点を絞ります。

あとパフォーマンス上僕が重要だと思うのは、「場の空気を読む」ことかな?例えば連敗中でチームの雰囲気が悪い時なんかは、試合前ウチの選手の所に行くのは出来るだけ避けますね。選手によっては「こっちに来ないでオーラ」を出してる人もいるし。長年やってると、僕が近付いてって歓迎してくれる人とそうでない人の見分けはすぐ付くようになりますよ。だからそういう選手はスルーするようにしてますね。逆に相手チームが調子良かったりすると、わざと試合前向こうのベンチに行ったりすることもありますけど(笑)。それから試合の「流れ」も重要ポイント。ウチが劣勢な時は、出来るだけファンに元気を出してもらうようにあおったりとか…そういうの配慮しながら動くことも、お客さんに共感してもらうためには大切だと思うんですよね。僕は「空気の読めない」マスコットにはなりたくないので…(笑)。ただ、試合の流れはその時にならないと読めないのが難点。スイングスイングを試合前に撮影して放送することが時々あるんだけど、実際それが流れる8回表終了時点で大量リードされてたり、タイミング悪く直前に失点したりすると気まずいモノがありますよ。なんだかすごく場違いな雰囲気の中で、一人でおフザケしてるような気がして…

グラウンドに出る時、僕達は色々な制約に縛られているのも事実。僕はかなり自由にやらせてもらってる方だとは思うけど、僕達はあくまでも試合という枠組みの中で動いているので、試合進行を妨げるのはタブーです。だから試合前のパフォーマンスや、イニングの間にバズーカを撃ったりする時も、常に時計をチェックしたり、アナウンスや音楽などの「音」を気にかけたり、選手の動きとかを横目で見ながら、試合進行に支障なくパフォーマンスを完結できるようにタイミングを見計らってます。

それから、一旦試合が始まったら試合終了までは選手の邪魔は絶対にしたくない。たとえ控え選手であろうとそこは真剣勝負の場なんで、試合中むやみやたらと選手に対しておフザケするのは失礼ですから。だからスイングスイングの時も、生では選手にカラみません!でも実を言うと、意外と毎日ちゃんとスイングスイングをチェックしてて、密かに楽しみにしてる選手もいるみたいなんですけどね。相手チームの選手にまで、「アレ面白いよね」って言われたことありますし(笑)。

 

…とまぁ、僕が日頃パフォーマンスする上で考えてることをツラツラ書いてきたけど、決してこれで完璧だと思ってる訳じゃあないですよ。たまに僕のパフォーマンスを人が撮ってくれた動画を見ることがあるけど、動きが全然まだまだだなぁ…💦とか思ったりしますから。

でも、皆さんがスイングスイングのアイデアを考える上で、これが何かしらのヒントになればと思います。キーワードは「自分だけじゃなく、人が見てて面白い」「色々な制約がある中でも出来る」、この辺ですね。

制約と言えば、かなり大掛かりな場面設定やロケが必要なアイデアを送って来られる方が結構いますけど、そういうのはまず無理だと考えてください。球場の外でロケする時って、試合やイベントのない日や当日の試合前に行ったりしてるんですよ。「B・Bニュース」で僕のスケジュールをチェックしてもらえば分かると思うけど、今年は交流戦も含めてビジターにもかなり出掛ける予定なんで、かなりの過密スケジュールなんですよね。シーズン中、外部ロケに出掛けられる日は7月末ぐらいまで全く取れない。それから外でロケする時って、普通事前に撮影許可が必要ですからね。去年ロケに行った羊ヶ丘展望台とか大倉山シャンツェとか円山動物園とか、全部ちゃんと書類提出して許可取ったんですけど、これが結構面倒なんですよ。

それから、スイングスイングを単なる仮装のコーナーだと思い込んでる人が結構多い確かに今まで色んな格好で出て来たけど、それはあくまでもネタを面白く見せるための「手段」であって、別にコスプレすることが目的じゃないんですよ。だから、面白いネタを伴わないタダのコスプレはダメ。本来の趣旨から外れちゃいます。

衣装だって、あれ別に専属の衣装さんが付いてる訳じゃないんで、すべて自前で用意してるんですよ。今までやった売り子さんとかボールボーイとかのユニフォーム系は、全部借り物。別にB・B用の特注ユニフォームを作ってもらってるんじゃなくて、ちゃんと事前に担当者の所まで「すいません、これこれこういう訳で今日ユニフォーム借りたいんですけど…」って、お願いしに行ってるんです。幸い僕の場合マスコットにしては比較的スリムな方なんで、普通の人の2Lとか3Lぐらいのサイズだったら何とか着られるんでね。他の場合、例えば敬老の日の赤いチャンチャンコや星条旗のコスチュームとかは、パーティーグッズ売場でフツーに売ってるモノです(笑)。それからパペマペをやった時とかは、黒い布を自分で縫って作ったし…。

まぁそんな訳で、色々制約のある中で面白いネタを考えなきゃならないんです。別にスポンサーが付いてる訳でもないんで、お金も掛けられないし…。だから理想を言えば、

1.球場内で生で出来る 

2.普段着(ユニフォーム)のままで出来る 

3.ストーリーの起承転結がしっかりしていて、面白いオチが付いている

…こんなアイデアを提供してもらえば、採用の可能性は大です!せっかく色んなアイデアをもらいながら小ウルサいことばっか言って申し訳ないんですけど、皆さんも自分が第三者的視点で「見てて」面白いネタをぜひもう一度考えてみてくださいね!「自分だけじゃなく、誰が見ても」面白いネタは間違いなく採用しますから

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今読むと、アイデアの応募を

皆さんにお願いしてる割には

結構厚かましいこと書いてますよね💦

アイデアを考えるポイントとしては、

まぁ確かにその通りなんですけど

 

しかしこの2005年は特に、

「スイングスイング」のアイデアを

色々考えながらやってましたね~。

この年の写真を今ざっと見返しただけで

いろんなのが出て来ました(笑)。 ↑ちなみにこのコラムを書いた当日は

交流戦でホッシーと共演してましたね🌟

↑コチラはヤクルト戦の時、

ヤクルトレディーに扮してやったんですが、

ホントに札幌市内のヤクルトの販売所まで

衣装と自転車借りに行ったっけ(笑)。

↑コレは東京ドームの3F席で

マーくん達と流しそうめんやった時

ネッピー&リプシーが来たこの日は確か

衆議院選か何かがあった日で、

それをネタにしたりもしたなぁ…。↑コレは翌2006年のCSの時だけど、

最終的にはこんなトコまで行き着きました(笑)。

毎試合ネタ考えるのはホント大変だったけど、

同時に楽しくもありましたね

 

あの頃と比べると今の演出は

凝ってるし洗練されてはいるけど、

いちマスコットが色々アイデア出せるような

雰囲気じゃなくなっちゃったような

印象は受けますね…。

まぁ、演出というのはスタンドのお客さんに

楽しんでいただくためにあるモノなので、

お客さんが楽しめてるんであれば

それはそれで良いんだとは思いますが。

つくづく僕は、良い時代に

1人で好き勝手にやらせてもらえて

ラッキーだったと思いますよ