B・Bコラム#22.5 続・日本一のパートナー

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前回のコラム再掲で出た、アテンドの話。

今は当時とは色々状況も変わったんで

補足として「続編」が必要かな、と思いまして

なので今回はコラムの「#22.5」として

現在の僕の考えをお話ししたいと思います。

コラムに匹敵する分量になりそうだけど💦

よろしければお付き合いください

 

「#22」のコラムを書いた当時と比べて、

現在ではB・Bアテンドのスタンスも

だいぶ変わってきてます。

というのも、この後僕は

「理想のグリーティング」のあり方について

さんざん悩むことになって、

それに伴ってアテンドのスタンスも

少しずつ変えてもらってるんですよね💦

詳しくは、この5年後(2010年)のコラム

#78マスコットコミュニケーション考」でも

語ることになります。

B・Bアテンドの場合、

最近は活動内容の変化もあって

どちらかと言うと業務内容の主軸は

お客さんとのコミュニケーションよりも

活動記録としての写真撮影の方に

重点が移ってきてまして、

前に比べて球場の人混みの中で

グリーティングに神経をすり減らす機会も

だいぶ減ってはきてるんだけど、

グリーティングやアテンドのスタンスの

理想形については、永遠に正解が出ないと言うか

今でもずーっと試行錯誤が続いてますね💦

 

但し僕が目指すスタイルは一貫してて、

それはあくまでお客さんとマスコットとの

「直接のコミュニケーション」

アテンドはあくまでサポート役であって、

最初から「アテンドありき」の

グリーティングにはしたくないんですよ。

このコラムを書いた2005年当時は

毎回列を作ってグリーティングしてたから

あまり気にしてなかったんだけど、

その後もっといろんな場所でいろんな人達と

自由にふれ合えるように…と、

列を作らずフリーに歩き回る

グリーティング方法に変えてからは、

どうしてもマスコット本人を素通りして

アテンドに「写真撮ってください」と

声を掛けて来る人が目立つようになって💦

最終的に写真を撮るのはアテンドだし

気持ちは分かるんだけど、

そこでアテンドがカメラを受け取ってしまうと

お客さんはアテンドとのやり取りだけで

完結してしまいがちになりますよね。

そして大抵、それはどんどん連鎖していくんで

「アテンドにカメラを渡したもん勝ち」

みたいな状況になって、

結局は「アテンド主導」の

グリーティングになってしまう訳で、

それは全く僕の望むスタイルではない

なので僕はあえて、アテンドには

自分からカメラを受け取らず、

「まずはB・Bに直接声を掛けてください」

と伝えてもらうようにしてます。

ただ、アテンドが僕のすぐ近くにいる限り

アテンドに声を掛けてくる人が後を絶たないんで、

近年は「ベタ付き」にしてないんですよね。

で、基本的にアテンドには

あえて少し離れた位置に立っててもらって、

何かあればすぐヘルプ出来るような

態勢でいるようにしてもらってます。

そしてその代わり、その立ち位置から

「B・Bに直接声を掛けてください」とか

「列を作らずグリーティングしてます」

といった感じで声を掛けてもらってる。

でも、それでも勝手に列を作り始めて

「並んでたのに!💢」って怒り出す人も

結構いたりするんですよね

あんまりマスコットの近くに立ってると

お客さんがアテンドに頼りがちになるし、

かと言って距離を置いてると

案内が伝わりにくいし…

ホント難しいです💦

なので最近は、特に試合で

地域PRブースに出る時なんかは

あえてアテンドなしで1人だけで

グリーティングしてたりしますが、

かえってそっちの方が、お客さんが僕に

直接声掛けせざるを得ない状況になって

そこでコミュニケーションが生まれるし、

自然にお客さん同士で写真撮り合ってくれたり

そもそも今の時代、大半の人がスマホで

自撮り出来たりもするんで、

そっちの方が良かったりもするのかな…?

なんて感じる時もあります

まぁ、アテンドなしでグリーティングするには

それなりの技量は必要になりますが。

という訳で、最近時々僕がアテンドなしで

グリーティングしてるのは、実は

そういう事情もあったりするんですよね。

 

じゃあ、もうアテンドは必要ないのか?

って言うと、決してそんなことはないし

アテンドを軽視したり見下したりとかは

決してしてません。

説明しますね。

#22のコラムにも書いた通り、

僕はあくまでアテンドは

「黒子」であってほしい、と考えてます

アテンドって、通訳と存在が似てるな…

って僕はよく思うんですよね。

外国人選手がヒーローインタビュー受ける時、

隣に通訳さんいるじゃないですか?

あんな感じ。

以前、ある実力のある通訳さんの談話で

「理想の通訳は『空気のような存在』」

といった話を聞いたことがあります。

空気って、それがないと生きていけないけど

目には見えないですよね?

つまり、聞き手と話し手の外国人とが

通訳を通さず「直接」会話してるように思える。

そんな通訳が目指す姿って趣旨なんですが、

まさにアテンドにもそれが当てはまるな~、

って思ったんですよね。

マスコットとお客さんとが、

アテンドを介さず直接自然に

「会話」が出来る雰囲気にしていく。

まさにそんなアテンドのあり方が

僕は理想だと考えています。

それは物理的に会話に入って来ない、

ってだけの意味じゃなくて、

お客さんの特性を瞬時に見分けて

アテンドが間に入らなくても

会話が成立するな、って思ったら入らない。

この人はサポートが必要だな、って感じたら

さりげなく必要最小限のサポートをする…

みたいな感じの絶妙な「押し引き」が

どれだけ出来るかが、

アテンドに求められる資質だと僕は思います

だから決して誰にでも務まる仕事ではないし、

逆に言えばアテンドがしっかり出来たら

将来どんな仕事にも繋がるよ!

って僕はアテンドに伝えてますね(笑)。

 

アテンドのスタンスって、球団やキャラによって

ホントに千差万別なんですけど、

キャラによってはアテンドが

ガンガン前に出て喋って

完全にアテンド主導のグリーティングを

してるケースもありますよね。

それから時々あるのが

チアがマスコットのアテンドを

務めるというパターンなんですが、

僕だったら絶対にそれはさせないですね。

何故なら、前述の通り僕は

アテンドは黒子であるべきだと思ってるから。

チアは言うまでもなく「パフォーマー」、

つまり表に出る立場の人ですよね。

だから黒子に徹するには相応しくないし、

彼女達に対しても失礼だと思う。

たとえ本人達が一生懸命やってくれても

お客さん目線では彼女達は

「パフォーマー」という見え方になるから、

たとえばマスコットのアテンド業務中に

アテンド側の方に注目が行ってしまう、

という状況だって充分起こり得る。

いくら英語ペラペラの選手がいても

ヒーローインタビューでその人に

他の選手の通訳させないですよね。

通訳の方が勝手にガンガン盛り上がって

選手より目立ったりしないですよね?

それと一緒の理屈。

ま、あくまで僕の私見です。

他の球団や他のキャラにはそれぞれ

いろんなやり方や事情があるだろうから

批判するつもりはないけど、

僕ならそういうやり方はしないな、って話。

 

とは言え、ここまで求めてる割に

アテンドに対してそれなりの「環境」を

充分与えてあげられないのが

ずーっと僕の悩みですね…

結構多くの方が気付いたと思うけど、

実は今年、アテンドの交代がありました。

今年途中までアテンドを続けてくれた彼女、

実に7年間も頑張ってくれたんだけど、

将来も考えてとうとう「卒業」することに…😢

何とかもっと安定的な待遇に変えられないか

模索した時もあったんだけど、

結局叶わないままでした。

曜日も月ごとの勤務日数も不安定な中

今まで気持ちだけでアテンドを続けてくれて、

ファンからも愛されてた存在。

だけどやっぱり彼女の人生を考えると、

「卒業したい」と言われたら

これ以上引き留めることは

僕にはとても出来ないんですよね

かと言って「今日で卒業です」みたいに

公にアナウンスするのも変だし、

以前別のアテンドが卒業する時に

グリーティングが送別会の場みたいな

雰囲気になっちゃった時があって、

「ちょっと違うな…💦」みたいに

感じた時もあったんで、あえて今回は

ファンの皆さんには何も言えないまま

交代を迎えてしまうことになったんです

彼女に対しては、

7年間も頑張ってくれたことへの感謝と

それに充分報いられなかった申し訳なさと

両方の気持ちが交錯してますが、

改めてこの場を借りてお礼を言いたい。

7年間、本当にありがとう

上手く伝えられなかったかもしれないけど、

貴女の頑張りには心から感謝しています

 

こんな感じで、アテンドの交代は

数年に一度起こり得るんですが、

その度に「果たして次はちゃんとした人が

見付かるんだろうか…?」って

ヒヤヒヤするんですよね💦

もし将来、そんな人が見付からなかったら

もしかしたらアテンド無しで活動する日が

来るのかもしれないけど、

それは逆に言えば、

「アテンドなんて誰でもいい」

では決してないことの裏返し。

「ちゃんとしたマスコット活動」をするなら、

クオリティの高いアテンドの存在は

やっぱり重要だっていう僕の考えは

今後もずっと変わらないですね