B・Bコラム#46 B・Bの212リポート・2007秋

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明日のツアー事前取材に向けて

幕別町なう。ですが、

今日はコラムの再掲を

ブログは今後リアルタイムのレポートが

しばらく続くと思うんで、

次のコラム再掲はしばらく先になるかも。

それではどうぞ!

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#46 B・Bの212リポート・2007秋

(2007年10月12日)

今僕は、「212物語」ロケ先の十勝でこのコラムを書いています。今回のロケを終えた時点で、訪れた市町村の数は49ヶ所。この企画も2年目を終えて、だいぶ軌道に乗ってきた感じがしますね。世間は今クライマックスシリーズに向けて盛り上がりつつありますけど、その前に今回はこの旅についての報告をちょっとさせてください。

 

「212物語」についてよくご存知ない方は、このコラムの#27「故郷」#30「試行錯誤の旅」あたりを読んでみてくださいね。いろいろと考えた結果、現在は1年につき21~22市町村を訪問するという10年計画で212物語は進行しています。なかなか壮大なプロジェクトでしょ?

まずロケがどんな感じで行われてるかについてですけど、撮影は1市町村につき丸1日がかりでやってます。スケジュールは結構ハードですね。朝9時半か10時くらいから撮影を始めて、お昼に一旦休憩を挟む他は、夕方暗くなるまで町中をあちこち移動しながらずーっと続けてます。そして撮影終了後もほぼ毎回、夕方(または夜)まちの公民館やホールのような場所をお借りして、1時間~1時間半ほど地元住民の方々との交流会を開催。1回のロケにつき、これを3~4日程度繰り返します。道内は広いんで、まちからまちへの移動時間も結構かかるし、30℃を超える夏の暑い日も、-15℃以下まで下がった厳冬の中でもロケをしたことがありました。

撮影場所は、町内のいわゆる観光名所や特産品などがメイン。まちを一望出来るような高台からの画を撮ることも多いですし、毎回訪問の証しとしてカントリーサイン(市町村境の標識)のある場所でも写真を撮ります。そのほか、ごくありふれた日常の風景のある市街地とか、通りすがりに絵になりそうな風景があると、予定になくても突然車を止めてカメラを回したりすることもありますね。

市町村の中には、有名な観光名所のたくさんあるまちもあれば、地元の人以外ほとんど知らないような小さな無名のまちもあるわけですよ。だけど、どの町でもロケにかける時間は同じ。付き添ってくれる役場の観光課の方にさえ「ウチのまちには大した観光名所もないんで…」なんて言われてしまうことも中にはあるんですがたとえそうであっても撮れる題材はいくらでもあるんです。美しい景色はどのまちにでもあるし、某番組みたいに、まちなかでバッタリ出会った地元の人達とのやりとりとか、(相手に迷惑の掛からない程度に)お店や保育所なんかに「突撃訪問」をしたりと。本当にいつも、その辺の街角でフツーに撮影してますから、通りすがりの人達はみんなビックリしてこっちを見てますよ(笑)。

この企画を始めた当初、「札幌から遠く離れた小さなまちで、ファイターズを応援してくれてる人なんているんだろうか…?」「交流会には人が集まるんだろうか?」なんて不安がありました。でもそんな心配は全くの無用でしたね。交流会は毎回盛況で、最近はたいてい100~200人くらいは集まってくれる。みんなファイターズのシャツを着たりグッズを持って来たりしてね。最近は人が集まりすぎて一人一人とじっくりふれ合えないという悩みさえ出てくる程で…。 たまたま通りですれ違ったおじちゃんをよく見てみたら、ファイターズのジャンパー着てたなんてことも何度かありました(決してヤラセではありません)。それからどこのまちでもよく聞くのが、「札幌ドームまでよく応援に行ってるんだよ」という声。札幌まで車で片道3~4時間はゆうにかかるまちで、ですよ。みんな、そんな距離もいとわずに足しげく札幌ドームまで応援に通ってくれてる。それは良い意味で驚きの発見でした。どんな遠い所でもものすごくたくさんの人がファイターズを応援してくれてるってことを、ロケをしていると肌で感じる時が多いんです。

 

このロケを続けてると、野球以外の部分でもいろいろと考えさせられることが多いですね。北海道では、大都市やその周辺部以外は、どこの市町村も過疎や人口の減少に悩んでるんです。昔は炭鉱やニシン漁なんかで栄えてたまちがどんどん人口が減り、今では人口3千人台くらいの「町」がザラにある。村になると1~2千人とか…市でも1万人に満たない所もありますしね。ロケの移動中道沿いによく見かけるのが、朽ち果てて崩れかけてる廃屋とか、廃校になった小中学校の校舎など。 廃線になった旧国鉄時代の駅だとか、閉山後ゴーストタウン化した炭鉱跡とかも、撮影に行ったことがあります。 画的には郷愁をそそる良い題材にはなるんだけど、なんだかとっても複雑な気持ちになりますね…。いわゆるまちの「メインストリート」も、昼間なのに通りを歩いてる人がほとんどいないことが多い。日曜日ともなると、店もほとんどシャッターが下りて、通りはガランとしていて…。街中で出会う人も、本当に老人や子どもばっかりですしね。

今は夕張市ばかりが注目されてるけど、夕張に限らず他の市町村も財政はかなり苦しいみたいです。どこでも自分のまちの「観光名所」作りにものすごく苦労してるのが分かるんですよ。みんな少ない観光資源を活かそうと、必死にアイデアを搾って…。でも中には、「なぜこんな所にこんなモノが?」と思う建物とか、小ぎれいな施設を作っても客がほとんどいなかったりとか、お金の使い道はこれで良かったの?と疑問に思うものも少なくないんですよね。役場の庁舎にしても様々で、小さなまちなのにものすごく立派な建物だったり、逆に築数十年の古い建物を大事に使ってたり…そんなところでも各市町村のスタンスみたいなものが垣間見られて、地方自治について随分と勉強になりますね。

 

知らないまちへ出掛けて得るものは多いんだけど、慣れない場所だからこその困った問題もいくつかあります。一番困るのは、地方へ行くほどマスコットへの接し方を知らない人が多いってことでしょうか。訪問先で出会った人に一番よく聞かれるのが、「ホンモノのB・Bなの?」って質問。「本物だったらここでバク転して~」って、役場のオフィスの中だろうが道端だろうが、所構わずリクエストしてくる人が後を絶たない💦「まさか、TVに映ったりしてるB・Bがこんな田舎に…」みたいな感覚で捉えられるのは、仕方のないことなんでしょうかね?B・Bにはホンモノもニセモノもないんです。この「212物語」は、そこがどんな遠くて小さな田舎町だったとしても、他でもない僕自身が道内全ての市町村を回ってこそ初めて意義があるわけで、わざわざニセモノを送り込むくらいだったら、最初からこんな企画はやりません。

「中の顔が見たいわぁ」とか、「役場の○○さんが入ってるの?」とか平気で言ってくる人も多いですね球場でマスコットを見たことのない人にとって、マスコットはやっぱりまだ「誰かがぬいぐるみを着てる」って程度の認識しか持たれてないんだな、ってことを嫌でも感じる場面です。僕らマスコットも、この先まだまだアピールが必要なようですね…。

あと最近、ロケ中に「追っかけ」をしようとする熱狂的なファンの方がたまにいまして…正直これはちょっとカンベンしてほしいんですよね。撮影中はどういう画を作ろうかとかいろいろ考えながらやってるんで、ずーっと近くを付いて来られると、撮影の進行上ちょっとツラいものがあるんですよ。気持ちはわからないでもないんだけど、そういう方のためにふれ合いの場は交流会として別に設けてるんで、そちらの方でお願いします

 

こうしてロケでいろんな市町村を回ってるわけなんですけど、決して撮影が終わったらそのまちとの関わりが終わり、じゃない。理想を言えば、ロケで訪れたまちの人達には、放映日にみんなで札幌ドームに見に来てもらいたいんですよね。今まで団体で見に来てくれたまちもいくつかありますけど、僕もまちの人達と一緒にスタンドに座り、ビジョンに映るまちの風景を見ながら、「あっ、○○さんが映ってる!」とか「あれは△△さん家の前だねー」みたいな声が聞こえてくると、すごく嬉しいんです。 そしてそのまま試合も観戦してもらって、ナマで見るプロ野球の面白さみたいなものを知ってもらう──そこまでやって初めて、ひとつのミッション達成です。こうやって212市町村分を少しずつ積み重ねていくこと、これって僕達がとっても大切にしなければならないことなんじゃないかな、と思うんですよね。

 

今までいろんなまちを随分たくさん回って来たつもりでも、実はまだ全体の4分の1にも達していません。北海道はホントに広いです…でも、これは絶対に北海道だからこその企画だと思いますよ。広い大地と、美しい風景のある北海道だからこその。マスコット交流で札幌ドームに来た他球団の人とか、みんな「この企画良いよねぇー」って絶賛してくれますからね。東京とか名古屋とか大阪とか他球場に行った時にも、道外のファンの方が去年出した212物語のDVDを差し出して「これにサイン下さい」って…。わざわざ通販で取り寄せてくれてると思うんだけど、そういうのって本当に嬉しいんですよ

そしてご期待にお応えして、今年もDVD第2巻を出すことが決まりました!「212物語2007」、発売は11月下旬になります。最後は宣伝みたいになっちゃって申し訳ないけど僕のライフワークである212物語の映像、このオフも皆さん楽しみにしててくださいね!

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「212物語」のプロジェクトも

3年目に入ったタイミングでのコラム。

軌道に乗って上手いことペースも掴んで、

「この調子でガンガンいこー!

って感じの時期に書いたモノですね。

このブログでもいまだにチョイチョイ

「212ロケの時は…」って感じで

言及する時ありますけど、

それだけ僕の中でこの212物語は

大きな財産になってます。

今までいろんなことやってきたけど、

この企画は間違いなく、

他のどのマスコットにもマネできない

僕のオリジナルアイデア。

そしてここで経験してきた全てが、

今の僕の活動に繋がっている。

自分で言うのもナンだけど、

今でも誇りに思ってます

 

ちなみに本文冒頭で

「ロケ先の十勝でコラムを書いてる」

とありますが、

奇しくもこの時のロケ先のひとつが

今まさに来ている幕別町

たまたまですがフシギな縁ですね(笑)。

明日は、その幕別を1日かけて取材します!

17年振りに「ちゃんと」訪れるまち。

どう変わってるか楽しみですね