ここんとこツアー関連の話が続いてますが、
ここらでちょっと気分を変えて
久々のコラム再掲といきたいと思います!
今回は2009年、札幌で開催された
オールスターのマスコット演出に関しての話。
それではどうぞ!
*******************************************
#66 僕らの夏
(2009年5月21日)
ここのところずっと、僕はちょっとしたプレッシャーに襲われています。
プレッシャーの元は、今年の夏行われる、僕にとっての「一大イベント」。もうピンときた方もいると思うけど、札幌で行われるオールスターゲームのことです。
今年は、7月24日(金)のオールスター第1戦、更には前日のフレッシュオールスターも札幌ドームで行われます。この2日間をどう展開していくか──まだ2ヵ月ちょっとあるけど、僕の頭の中は既にこのことでいっぱいなんですよ💦
オールスターで毎年12球団マスコットが集合するようになったのが、2005年から。今年で5年目を迎え、もうすっかり恒例になったと言えますね。最初の頃は「添え物」的な扱いの感があったマスコット達も、毎年ちょっとずつその存在感は大きくなりつつあるような気がします。それと言うのも、一昨年ぐらいから、演出が開催球場の主催球団に一部任されるようになったのが大きいと僕は思うんですよね。前は、僕らの見せ場と言ったら、せいぜい最初に名前を呼ばれて登場する一瞬の間に派手なアクロバット技でも見せてアピールするくらいしかなかったんだけど、最近はイニング間などにある程度の時間を割いて、様々なアトラクションが行われるようになりました。以前はNPBやイベント代理店任せだった演出が、マスコットをある程度理解している球団担当者が関われるようになったことによって、ちょっと進歩してきた。今年は僕がこのチャンスを最大限に利用して、更に良い方向に持って行きたいんです。
今僕の頭の中にある「マスコットオールスター」のアイデアはまだ漠然としたものですけど、基本となるコンセプトは既にあります。それは「ファン目線で楽しい」「全てのマスコットにチャンスがある」「ふれ合いを多く」──この3つ。
まず「ファン目線で楽しい」ですが、これは読んで字の如く。とにかく見ているファンが一緒に楽しめる内容にしたい。演出サイドの自己満足が先走って、ファンはよく理解できずに置いてけぼり──みたいな演出、僕は絶対にやりたくないんです。だから、もう単純明快に見てて面白い内容にしたい。
2番目の「全てのマスコットにチャンス」。これまでのオールスターでは、どうしてもアクロバット系のキャラにばかりチャンスが与えられていたと思うんですよね。自分もまぁその恩恵を受けてはいたんですが…。でも、僕は常々言っているとおり、アクロバットばかりがマスコットの能力の全てじゃないと思うんです。可愛さやユーモラスな動き、ダンスにお絵描きに手品に写真撮影(?)…などなど、各キャラの特技や魅力は十人十色。最近は特に、各自のそういう個性が立つようになってきています。そのいろんな魅力をできるだけ平等に引き出せるような演出を用意すれば、各自のモチベーションも上がるだろうし、今後みんなのパフォーマンスの可能性を広げていくいい機会になるとも思うんですよね。
そして最後の「ふれ合い」。これは今までずっと感じてたんだけど、オールスターはせっかく12球団のマスコットが集合してるのに、ファンとのふれ合いのチャンスが多いとは言えない。全員揃ってのグリーティングは通常、試合前の20~30分程度。試合が始まってしまうとグラウンド上での出番が目白押しなんで、自主的にグリーティングを希望するマスコットだけが、僅かな隙間を縫ってコンコースに顔を出すくらいなんですよね。これを、たとえば札幌ドーム内にどこか1ヵ所マスコットのグリーティングスポットを作って、試合中そこに行けば必ず誰かしらのキャラにふれ合えるようにできないだろうか?2キャラ1組にして1イニングくらいずつ交替で出るような感じでね。試合前に関しても、ファンが全マスコットと目一杯ふれ合えるようにしたい。もちろん各キャラの体力的な負担はできるだけ考慮するけど、それでも普段あまりグリーティング慣れしていないキャラにとってはちょっとキツいかもしれないんで、その点は若干覚悟しておいてもらった方がいいかもしれません(笑)。
先日行われたNPB担当者とのミーティングによると、マスコットの絡む演出の組める可能性がある場面は、試合前と3回・5回・7回のそれぞれ終了後とのこと。僕個人的には、そのうち試合前と3回後・7回後の3つの場面あたりで、セパのマスコット対抗で3番勝負みたいなゲームをやれれば、と思っています。本当は5回終了後がじっくり時間も取れるんだろうけど、ここは主催球団(つまりファイターズ)やNPB側としては、YMCAなり「野球場へゆこう」なりを流してのダンスタイムにしたい、という意向もあるでしょうから、そこはそちらの方を尊重すべきだろうと。演出はマスコットが全てではないし、球場に来るファンすべてが、マスコットに興味があるとも限りませんからね。
で、そのゲーム内容についてですが…アイデアはたくさん出てきてはいるんですけど、まだ全然まとまってない状況ですね
あ、一つハッキリしているのは、「大玉転がし」はあえてやりません(笑)。大玉転がしは去年・一昨年と連続でやって、場内ではかなりウケてました。ただあんまり毎年続けて、ヘンに「オールスター=大玉転がし」みたいな固定観念を持たれたくないんですよ。面白いゲームは、もっと他にもいくらでもあると思いますし。
その点、僕の個人的考えだけでは発想の広がりに限度があるし、他のマスコット達やファンの皆さんのアイデアも広く取り入れていきたいな、と思っています。このコラムを読んでる皆さんも、「オールスターでマスコット達のこんなアトラクションが見たい」「マスコット達とこういう形でふれ合いたい」みたいな意見があったら、僕にどんどん教えてください。手紙でもいいし、球場で会った時に直接言ってもらってもOK。ファイターズ携帯サイトの応援メールに投稿してもらっても結構ですし、自分のブログか何かでそういった意見を述べていただいても構いません。僕は結構いろいろチェックしてますんで、「B・B」「マスコット」「オールスター」とかでキーワード検索出来るようにしといてもらえれば、きっと目にする機会はあると思います。特にこれといった宛先を設定したり、採用されたからと言ってプレゼントが当たるわけでもありませんが…とにかく僕としては、ファンの皆さんの意見が反映される、楽しいマスコット集合にしたいんです!
但し、もちろん現実的に実現可能なアイデアでないと採用が難しいのは確かです。僕の夢だけで語れるなら、出来ることなら12球団のメインキャラだけではなく、サブキャラも含めた全キャラの集合を札幌ドームで実現させたかった。前日にはどこか会場を借りて、マスコットとファンとの「前夜祭」みたいなのを開いたりとかね。でも現実問題、少なくとも今回に関しては、予算やスケジュールの問題でこれは無理のようです。あまり試合中のイニング間に長時間を取っての大がかりな演出も厳しいですし、様々な制約の中で実現可能なアイデアを考えていかないといけません。
それから、これも前から言ってることなんですけど、可能であるなら中継のTV局にも、もっとマスコットを映してもらえるように働きかけたいと思っています。オールスター中継でよくあるのが、野球とは無関係な芸能人なんかをゲストで呼んで、イニング間など延々ゲストとのトークが繰り広げられるというパターン。野球そのものに興味の薄い視聴者も取り込もうというテレビ的な発想なのかもしれないけど、僕はその考え方には大反対です。やっぱりオールスターは野球の祭典なんだから、そこは何かしら野球に関わりのあるコンテンツで視聴者を引き付けるべきじゃないのかと。往年のオールスター名場面の映像を流すのも良いですし、マスコットの姿だってそういった重要な「野球コンテンツ」の一つになり得ると思うんです。芸能人のゲストより、そっちの方がよっぽど視聴者は喜ぶと思いますよ!
──と、ここまでいろいろ主張してきたものの、一方ではちょっと不安な要素もあるんです。と言うのも、もしかしたら今年の札幌ドームでのオールスターは、民放でのTV中継がないかも?という可能性があるんですよね。近年民放の野球中継の視聴率低下が叫ばれてるんですが、こんなところにまで影響が及んでくるとは…。いくら「中継でマスコットを映してくれ!」と言いたくても、中継自体がなくなってしまったら元も子もないですからね
これはかなり不安です。
それから、先日の新聞報道で気になる記事を目にしたんですが…プロ野球の実行委員会で、オールスターについての見直しが検討されたとか。「セパの交流戦も行われている中で、価値が薄れてきている」という意見も出た、と。その代替案として日韓オールスターなどが挙がっているそうですが、例えばJリーグではオールスターが昨年から日韓オールスターへと方式が変わったのに伴い、それまで定番だったマスコット集合がなくなってしまったという実例もあるので、もし野球までそうなってしまったら、僕らにとっては痛手ですね。せっかくオールスターでのマスコット集合が定着してきたのに…。
様々な制約や不安もあるし、僕もこれから交流戦などであちこちを飛び回りながらのスケジュールの中、どれだけ実現できるのかはわかりませんけど、とにかくこれは僕がずっと夢見てたことを実現できる貴重なチャンス。これから本番までの2ヵ月の間、腕試しだと思ってできる限りの知恵を振り絞って精一杯やってみたいと思います。
今年何かしらの成果が挙がれば、きっと良い形で来年以降のオールスターへとバトンを渡せるはず。その実現のためには、皆さんからの貴重な意見も必要不可欠です!皆さん、ぜひ一緒に楽しい「マスコットオールスター」を作っていきませんか?
*******************************************
この「僕らの夏」というタイトルには
深い意味があって、
「彼ら」ではなく「僕ら」、
つまりマスコットやファンの皆さんが
自分達の手でオールスターの
面白い演出を創り出していこうよ!
って僕からのメッセージを込めてます![]()
その後、実際のオールスターがどうなったかは
この後コラム#68・69の「宴のあと」
(前後編)に詳しく書いてますが、
結論から言うと素晴らしいものが
出来上がりましたね![]()
全てとは言わないけど、
目指したイメージの内容は基本的に
大体実現できたんじゃないかと![]()
遠慮なく自画自賛しますが(笑)、
これまでのオールスターでの
マスコット関連の演出としては
一番のモノになったという自負は
今でも持ってます。
「餅は餅屋」って言葉があるけど、
やっぱり一番ファンのニーズを理解してる
「エキスパート」が内容を考えてくのが
理想ですよね。
もちろんこっちにもそれをちゃんと
形にしていく責任は生じますけど💦
このコラムを書いた5月頃のプレッシャーは
ホント相当なモノだったんですが💦
試合やらマスコット交流やら
212ロケやらその映像編集やら
パツパツのスケジュールの中で
よくやったな…と我ながら思います![]()
ところで今回のアイコンに
トラッキー達との写真を選んだのには
理由があって、
オールスターのマスコット演出の中に
トラッキーのアイデアを拝借したのが
結構印象に残ってるから![]()
当時の交流戦は2連戦ずつの変則日程で、
6月の阪神戦と広島戦の間に
2日スケジュールが空いたんですよね。
で、その間にトラッキーと温泉に行って
「オールスター何したら良いと思う?」
みたいな会話して(笑)。
で、マスコットステージで
「野球場へゆこう」の曲に合わせて
各マスコットが2小節ずつ
ダンスの振り付けを考えてって
それ繋げてったらオモロいんちゃう?
ってアイデアを彼が出してくれて…
ありがたく採用させていただきました![]()
ちなみに「イメージは大体実現できた」
と書きましたが、唯一ダメだったのは
TV中継の部分ですね。
結局この年も中継はあったんですが、
TV局の人も集まるミーティングで
「マスコットももっと映しませんか?」
って提案した時の、局担当者の「はぁ?
」
みたいなリアクションは忘れられません。
ローカル局の方々にはこれまでも
いろいろ良くしていただいてますけど、
やっぱり全国ネットになると
マスコットの存在なんて所詮
そんなモノでしかないのかなぁ?
とは正直感じましたね![]()
…というコトで最後グチになりましたが![]()
オールスターの顛末については
この後のコラムも是非ご一読ください![]()
次回からは京極町の紹介に入ります!