今日は年内最後のコラム再掲。
(また年明けすぐアップすると思うけど)
ではまいります、どうぞ!
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#53 青空のある風景
(2008年4月22日)
今僕は、千葉でのマスコット交流を終えた帰り道でこのコラムを書いています。まだシーズンは始まったばかりですけど、マスコット交流の旅は今年早くも2ヵ所目。日程の巡り合わせの関係もあるんですけど、今年は僕の場合春から結構ハイペースですね(笑)。
さて今回は、とある球場で感じたことのお話。今シーズン最初のマスコット交流は関西でのオリックス戦だったんですが、その2日目、僕は3年振りに神戸のスカイマークスタジアムを訪れました。前回神戸を訪れた2005年は雨で2試合とも中止になってしまったから(2試合目は試合開始直後のノーゲームでしたが)、実質的には4年振りの訪問と言ってもいいと思います。
日本で一番素晴らしい球場はどこか?──もし皆さんがこの質問をされたら、どの球場を真っ先に思い浮かべるでしょうか?これはもちろん人それぞれだと思うけど、僕がこの質問をされたなら迷うことなく挙げたい場所、実はそれがこのスカイマークスタジアムなんですね。フィールドとスタンドとの距離の近さ、そして内外野共に美しく整備された天然芝──野球場の持つべき素晴らしさを全て兼ね備えている、日本で一番「ボールパーク」に近い球場だと僕は思うんです。だから、僕は前々からこの日を楽しみにしていました。
今回スカイマークを訪れたのは1日だけだったんですが(もう1試合は大阪の京セラドーム)、予報は雨…。こんな日に限って…と、ちょっと恨めしくも思ったけど、直前に予報が変わって当日は快晴に。暑すぎず寒すぎず、絶好の野球日和になりました。
久し振りに訪れたスカイマークは、以前のままの素晴らしいスタジアムでした。ここ数年フランチャイズの関係で開催試合数が減ってきているのでちょっと心配だったんですが、良く手入れされた美しい天然芝は青空に映え、フィールドシートでは高いフェンスや防球ネットに邪魔されずにファンと直接ふれ合い──球場周辺ではちょうど桜も満開だったりして、心も体もすごく爽やかな1日を過ごすことが出来たんですね。
いつもドームの密閉された空間の中で試合をやっている僕としては、これはすごく新鮮なことでした。普段の試合では、太陽や風や、季節を肌で感じながら仕事をすることはあまりありませんから…。たとえば皆さんも、ドームで試合観戦中、今が昼間なのか夜なのか、一瞬分からなくなったりした経験ってありませんか?それから、特に僕は試合の日は1日中ドーム内にこもってたりするんで、試合が終わって外に出て、「あれ、今日は雨が降ってたんだ…」なんて初めて気付くことも少なくない。これってよく考えると、野球という本来「屋外競技」に携わっている者としては、おかしな話ですよね
日本ではここ20年ほどの間、ドーム球場がいくつも作られて、プロ野球の本拠地から屋外球場や天然芝の球場が減ってきています。スカイマークではまだ年間20試合程度試合は開催されているものの、今年から「本拠地」扱いは京セラドームに一本化されたという話なので、事実上パ・リーグの本拠地は全てが人工芝球場、うち3分の2はドーム球場になってしまった。今や日本のプロ野球は「室内競技」化してきていると言えなくもありません。
ドーム球場は、確かにファンにとっては観戦しやすく、僕らにとっても仕事はしやすいですよ。何より天候に左右されないので常に快適な環境が保たれてるし、事前に予定も組みやすい。だけど、いつも全く同じ環境の下っていうのも、何だか味気ないものじゃないでしょうか?良く晴れた日のデーゲーム、試合の進行と共に午後の陽射しが傾いていくのを感じながら、またナイターでは暮れていく空を眺めたり、夏の夜風や夜空の花火を楽しみながらの野球観戦、これはもう屋外球場でしか味わえない醍醐味ですよね。
それから天然芝!球場に入り、緑のグラウンドが視界一杯に広がった時のときめきや「ワクワク感」って言うのは、生で野球観戦された方なら誰でもが経験あるでしょうけど、特に天然芝の香りや太陽の下での芝生の輝きって、そういう「高揚感」「開放感」みたいなものを一層掻き立てると思うんです。
日本には、海外に比べて「芝生の文化」みたいなものがまだまだ足りない気がします。日本の学校のグラウンドって、土やコンクリートの所が多いでしょ?野球の本場アメリカでは、学校のグラウンドはほとんどが芝生です。で、夏の日にはスプリンクラーがグラウンドのあっちこっちでシュンシュン回ってるのがひとつの風物詩みたいになっている。子ども達はそういった環境で小さい頃からスポーツをしてるから、野球場だって内外野ともに総天然芝が当たり前になっている。別にアメリカが全て良いとは思わないけれど、そういうところに何て言うのか、文化の豊かさの差みたいなものを感じてしまうんですよね…。
どんなに時代が進化しても、やっぱり野球は屋外で、天然芝の上でやるのが本来の姿だと僕は思います。もちろん、外野だけじゃなく内外野総天然芝のグラウンドで。まぶしい青空の下で芝生の匂いを嗅ぎながら野球を観る時ほど、野球の原点を感じることはないですよ。それだけに、スカイマークのような素晴らしい球場が以前ほど使われなくなってしまったことは、すごくもったいない気がしますね。
まぁスカイマークスタジアムの素晴らしさについて色々書きましたが、いつも京セラドームでもファンの皆さんには良くしてもらってるし、別に京セラドームが悪いワケでは全くないので、そこのところは大阪のファンの方々、どうか悪く思わないでくださいそれから、自分とこのホームグラウンドはどうなんだ、というツッコミもあると思いますけど、日本中で最も居心地が良く、仕事のしやすい球場は、当然ホームである札幌ドームなのは言うまでもありませんよ。一番多く使っている球場だから使い勝手も分かっているし、ファンとの信頼関係もガッチリと築かれている分、安心して仕事に集中できる。札幌ドームのスタッフの方々には、いつもいろいろと便宜を図ってもらってますしね。
僕はこれからも、全国各地のいろんな球場を訪れると思います。今まで訪れた様々な球場についてはまた機会を改めてお話ししたいと思うけど、これからも日本中に、もっともっと個性的で魅力的な球場がたくさん出来たら、野球ファンももっともっと増えるんじゃないんだろうか──そんなことを考えた、春の神戸の一日でした。
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スカイマーク…懐かしいなぁ😊
に名前が変わってますが、
その後も何度かマスコット交流の時
神戸で試合が組まれてる時に合わせて
遠征スケジュールを組んでましたね。
この翌年広島のマツダスタジアムも開場して
あそこもすごく好きな球場でした✨
僕の中ではこの2球場がお気に入りかな。
ただ、フィールドシートでのファンとの
「近さ」「ふれ合いやすさ」という点では
神戸はダントツでしたね~
このコラムで僕が言いたかったことは
屋外球場の素晴らしさはもちろんなんだけど、
日本がドーム球場ばっかりになって
なんか個性なくなっちゃったな~…、
ってこともひとつあるんですよね。
確かにすごく立派な施設ではあるんだけど、
グラウンドの形状がどこも画一的で
画面で中継見ててもどの球場も
同じような画になってないですか?
ちょっと大げさな話をすると、
僕よく開場前にアップのために
外野のフェンス沿い走ってたんだけど、
疲れて頭がちょっとボーっとしてると
たまにココが札幌なのか福岡なのか
名古屋なのか、一瞬分からなくなることが
あったりもしました
去年エスコンフィールドが出来たことで
日本の球場造りも新時代に入った感はあります。
神戸と広島がお気に入り、って話すると
「自分とこのエスコンはどうなの?」
ってツッコまれるかな?
確かに施設は個性もあって素晴らしい。
ただ、僕はエスコンのグラウンドには
ほとんど立つ機会がないので、
残念ながらその点に関しては
あれこれ言う資格はなさそうですね💦
さて明日で今年も終わりですが、
年内にもう一度記事アップ予定です!
次回は久々に膝の現状報告でも