【EZOlogical】ヒグマとの共生・その4。

カテゴリ/SC活動

4回にわたって紹介してきたヒグマの話、

今回が最終回になります。

ここまで、ヒグマを巡る状況の変化や

現状の課題などについて聞いてきました。

では、それに対して一般市民の方々が

心掛けていくべきことって何かありますか?まず一番重要なのは、人間とクマとの

「棲み分け」をきちんとすること。

クマによる死傷事故なんかが起きると、

ニュースで大きく取り上げられて

一件の事故でもインパクト相当強いですよね。

そうして「負の感情」を起こすニュースが

ひとつ出れば、人はクマに対して

物凄い恐怖感を抱いてしまう。

でも、基本的にはクマだって人が怖いんです💦

だからバッタリ出逢ってしまうと

トラブルの元になる。

なので、皆さんにまず気を付けてほしいのは

「出逢わないようにする対策」

きちんとやってもらうことですね。

よく言われてることなんで

皆さんも聞いたことあるかもですが、

たとえば山に入る時には複数人で行動する、

音を出してクマに事前に人の存在を知らせる、

などは基本中の基本。中でも複数人で行動することは重要で、

誰かと一緒にいると会話をするので

まずクマに気付いてもらいやすい。

それからクマよけスプレーなんかを

携帯してもらうのも有効な対策なんだけど、

たとえ1人が襲われても一緒の人が

スプレーをかけたり助けを呼ぶことで

被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。

ちなみに去年道内ではヒグマによる

死亡事故が2件起こってますが、

どちらも単独行動中の事故でした。

 

それから、山や森の近くなど

クマがいる可能性の高い場所近くに

住んでいる人が取れる対策としては

「草刈り」なんかもありますね。

クマは緑が繋がってる所を伝って

市街地に入って来るくることが多い。

なので少しでも緑の部分を断ち切ることで

クマが通りづらくなる効果や、

見通しが良くなることでクマと人が

至近距離でバッタリ遭うのを防ぐ

効果なんかが期待できるのです。あとは、ゴミの管理をきちんとすること

なんかも挙げられます。

特に山の近くなどに住んでいる人は

夜の間にゴミ出ししないとか、

可能であればクマに開けられないような

頑丈なゴミステーションに収納するとか、

クマが狙いそうな物は外に置かない、

などの対策がありますね

 

いろんなお話伺いましたが、

では道総研ヒグマチームの皆さんが考える

人とクマが上手く共生していくために

今後目指すべき社会のあり方って

どんなモノなんでしょうか?現在のクマを巡る問題は、もしかしたら

実際に被害の出てる地域以外の人には

他人事に思えるかもしれない。

でも、諸外国ではこういった問題に対して

住民も含めた社会のみんなが

クマについて正しく理解するのが基本

という考えが強いそうです。

これだけ自然が豊かな北海道。

そこでクマと共生して暮らしていく上で、

大人になってもクマについて

無知・無関心であることが恥ずかしい…

と皆が思えるような社会を目指すことが

必要なんじゃないでしょうか?

最近はクマ関連のニュースが多い関係で

この問題に興味がある人も増えてきて

市民対象のいろんなセミナーや

イベントなどもあるみたいなんで、

皆さんもぜひそういう所に行って

クマに関する知識を身に付けてほしいですね。

僕ももしそういった講座なんかで

手伝えることがあれば、

喜んでご協力させていただきます!

一昨年のヒグマセミナー

講師役としてご一緒した白根さん曰く、

北海道に住んでいる子ども達が

ヒグマについてもっと知るための授業を

受けるのが当たり前になってほしい

確かに、北海道ではこれだけ

ヒグマが身近な存在でありながら、

子ども達がクマについて正しく学ぶ機会が

現状なかなかないですよね。

ただ、道総研ヒグマチームの方々が

道内全部の学校で直接

教えて回る訳にはいかないんで、

そういう授業の出来る先生を育てる場

みたいなものを作って、

そこでレクチャーを受けた先生方が

それぞれの学校で授業をするのが理想

簡単にはいかないかもしれないけど、

少しでもそういった取っ掛かりが作れないか

僕も模索してみたいと思ってます

 

…というコトで今回のお話はここまで!

約1時間の取材でしたが、

道総研ヒグマチームの皆さん、お忙しい中

貴重なお話ありがとうございました!

また今後も懲りずに

末永くお付き合いいただければそしてここまで長くてムズカシい話に

お付き合いいただいた読者の皆さんも

ありがとうございます!

できるだけ分かりやすく伝えたつもりだけど…

何かしら「学び」にはなれたかな?💦

何も全部覚えろとは言わないんで(笑)、

話の一部だけでも皆さんの頭の片隅に

置いといてもらると嬉しいな