B・Bコラム#43 行列のできるマスコット

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さて今日もコラムの再掲ですが。

今回は(今回も?)かなり大事なお話

全マスコット好き・キャラ好きの方には

ぜひ目を通していただきたい内容です!

…って、こないだも同じコト言ってたな

まぁそれはともかく、どうぞご一読を!

(アイコン写真は本文の内容とは

一切関係ございません)

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#43 行列のできるマスコット

  (2007年6月26日)

…とは言っても、別に自慢話ではありません(笑)。

今回は、ファンの皆さん(ファイターズファンに限らず、すべてのマスコットファンに対して)聞いてみたい質問があります。皆さんの考える「マスコットとのベストなふれ合い方」とは、どういった形なんでしょうか?

 

──最近、球場でグリーティングをしながら、「これでいいんだろうか?」と思うことがよくあります。ここのところ年を追うごとに、球場でのグリーティング待ちの列は長くなる一方。最近はマスコット交流の機会も増えてるんですけど、特に相手マスコットが来た時などは場内整理が必要なくらい、僕達を取り囲むファンの数が増えています。これはこれで、喜ばしいことですよ。球場に来てくれるファンが増えたと同時に、マスコット人気もそれだけアップしたということの証でもありますからね。ただ最近感じる疑問は、一人一人のファンとの「距離」が遠くなってしまってはいないか、一体これがグリーティングの理想形なんだろうか、ってことなんです。

 

3年前、北海道での初年度のころから比べると、僕のグリーティング状況もだいぶ様変わりしました。以前は、僕はもっとランダムに球場内をあちこち歩き回ったり、一人一人とじっくりふれ合えていたような気がします。試合前のグリーティングも、ゲートの外に出て開場待ちの人の列に挨拶に行ったり、B・B’s Roomがまだなかった頃は、試合中もスタンド内を歩いてグリーティングしていました。試合後も、今とは違う場所で帰りの駅に向かう人達を文字通り「お見送りする」ような形でやってましたし…。今はもう、札幌ドームでそうやって色々な形を試すのは難しいですね。僕がグリーティングに出ると、もうその時点で既にズラリと順番待ちの長い行列ができ上がってしまっているから、日によって場所や形を簡単に替えたりできるような状況ではなくなってしまった。

どこへ行っても順番待ちの行列ができるようになってしまったのは、一昨年くらいからですかね。特に去年後半あたりからはその傾向が顕著です。もちろん、僕に会いたいと思ってくれる方がそれだけ多いというのは嬉しいことです。ファンの立場からしてみれば、「いつ、どこに行けばB・Bに会える」というのがはっきりしている方が、分かりやすくて便利ですしね。

 

相手マスコットが来た時によく驚かれるのが、「北海道のファンは、実に行儀よく整然と並んで順番を待ってくれる」ということ。でも実を言うと、マスコットが必ずしも常にこういった「列方式」でグリーティングしていく訳ではありません。むしろこのやり方はどちらかと言うと少数派で、多くの場合マスコットの周りを取り囲んだファンがランダムに写真撮影などをしていく、というやり方でグリーティングが行われてるみたいです。土地柄によっては「順番に並んでください」とお願いしてもなかなか言うことを聞いてもらえない所もあるみたいですし。実はこっちの方が、僕らマスコットにとってはやりやすいと言えばやりやすいんです。時間が来たらそこですぐ終わりにできますからね。列を作ってしまうと「列の最後まで対応しなければ」という義務感が生じるんで、「列方式」は敬遠されることも多い。僕も、相手球場に行った時は相手のやり方に合わせるんで、この「ランダム方式」でやることが多いです。

但しこの場合、「押しの強い」人ほど得をすることになってしまう。恥ずかしくてなかなかマスコットに声を掛けられない人、結構いるでしょう?そういう人は後から来た人にどんどん先を越されてしまいますからね。列方式なら、その点公平と言えば公平にはなります。しかしその代わり、公平さを保つためにいろいろと気を遣わなくてはならない。順番を守らず横入りしようとする人に対する注意は常に必要だし、列をいつ・どうやって切るかの判断も非常~に難しい。前述したとおり、列の最後までやろうとするとそこに「義務感」が生じてしまうんで、時間が迫ってくるとものすごく焦るんですよ。今年からは、時間が来たら列の途中でも終了するやり方に変えてますけどね(但し、必ず事前に「グリーティングは○時○分までで終了です。それまでに対応できなかった方はご了承ください」と周知するようにした上で、です)。ただ、自分の手前で切られたお客さんは当然ガッカリするだろうし、「せっかく長い時間並んだのに会えなかった」という不満が出てきてもおかしくない。僕だって、列を途中で切るのは本当に心苦しいんですよ…。

更に最近は、土日祝日に相手マスコットが来た時などは特に混雑がひどくなるんで、サインは不可とか、写真は1グループ1枚ずつだけにしてもらうとか、既に一度会いに来た方は二度目以降は遠慮してもらうとか、いろんな制約を設けないと列がさばけなくなる時も出てきました。いわゆる「常連さん」の中には、毎日試合前・試合中・試合後と3回必ず列に並んで僕と会っていく方も少なくないんですよ。これも他球場ではあまり見られない光景みたいで、他のマスコットに驚かれるんですけどね。僕もその心理は詳しくわからないですけど、その方達にとっては「B・Bに会って写真を撮る」という行為が一種の「儀式」のようになってしまっているのかもしれない。でも、一人でも多くの人とふれ合って新しいファンを「開拓」していくのも、僕らマスコットの大切な役目です。混んでない時は毎回会いに来てもらって一向に構わないんですけど、混雑が激しい時は、同じ人が二度三度繰り返し会う分を、違う二人三人に分けてあげてもらえると僕としてはありがたいんですよね。まぁこちらに強制力はないですし、それはあくまで個人個人の良識に任せるしかないんですけど。

 

僕がいつから毎回列方式でグリーティングをするようになったのかは、自分でもよく覚えてません。僕がグリーティングをする上で理想としてきたのは、「できるだけ多くのファンと、公平に、かつ心のこもったグリーティングをする」ということ。そのへんを考えて順番にやってもらっているうちに、律儀な北海道のファン気質みたいなものも相俟って、「列を作る」ことがすっかり定着してしまったんだと思います。しかし皮肉なことに、公平性を保つためにはどんどん制約を設けざるをえない状況になってきてしまった。それが、結果として僕とファンとの間の「距離」を遠ざけてしまっているんじゃないか──そう思えることが最近多分にあるんです。常に行列と時間に縛られながら、一人一人とじっくり「会話」もままならない状態の時が、最近は少なくない。僕だって、あれこれ制約を設けるのは決して本意じゃあないんですよ。たまにビジターや地方球場の試合に出て、フリーに動き回ったりファンとランダムにふれ合ったりすると、それが新鮮に思えたりする。「もっと形式ばらず、時にはランダムにやっていった方がいいのかなぁ?」と考える時もあるんです。

 

自分で質問を投げかけておきながら、実はこの質問に確固とした答がないのは、自分でも承知しています。感じ方は人それぞれだし、それぞれの土地柄や球場の立地・構造とかによっても合うやり方は違ってくるでしょうから。どんなに公平にやろうとしても、どこかでひずみは生じてくるものだし、結局のところ、万人が納得できるような「理想のグリーティング方法」はないのかもしれません。

でも、この問題は僕達サイドだけでなく、皆さんの声も聞きながら考えていきたい。普段グリーティングを受けている側の立場として、ファンの皆さんが何を理想とするのかも聞いてみたいんです。札幌ドームではもう、今の行列スタイルが浸透してしまっているのは事実。この方法が北海道のファン気質に合っていると多くの人が思うのであれば、このやり方を続けていくかもしれないし、何か違った意見があるのなら、他のやり方も試してみる価値があるかもしれない。他チームファンの方の意見も聞いてみたいですしね。

この機会に、皆さんもマスコットとの理想のふれ合い方を考えてみませんか?

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このころになるとコラムのトーンも、

初期のちょっと軽いノリ?から

結構深くてシリアスな内容に

変化しつつあるかな、って感じがします。

 

思えば、僕はこのくらいの時期から

「理想のグリーティングって何だろう?」

って、ずーっと悩みながら

試行錯誤を繰り返してる気がしますね。

これはコラムの内容にも現れてて、

グリーティング論?についてはこの後も

少なくとも5回はテーマとして取り上げてます。

その「正解」は

時代や個人の考え方によっても変わるから

たぶん永遠にたどり着けないとは思うけど

お陰様で僕は、たぶん大学の講義1回分

語れるくらいの考察を積み重ねてるという

自負はありますよ(笑)。

 

本文にも書いた通り、グリーティングには

大きく分けて「列グリ」「フリーグリ」

の2通りあると僕は考えてます。

僕は今、特別な事情がない限り

できる限りフリー方式でやってますが、

フリーグリを「ちゃんと」やるなら

マスコットにもアテンドにも

それなりの責任と技量は求められます

特に混雑してる場所でやる場合、

お客さんとの写真撮影に応じながらも

「ずっと声掛けそびれてる人はいないか?」とか

「あの人さっきからだいぶ待ってるな…」とか

「ここ動線塞ぎそうからちょっと動こうか」とか、

常に頭と視線をフル回転させながら

やる必要ありますからね。

もーホント頭から煙が出そうなくらい(笑)。

それでも僕がフリーグリ続ける主な理由は、

いろんなお客さんとふれ合えるし

何より「こちら主導」でグリ―ティングを

進められるという点に尽きますね。

一部の「押しが強い人」ばかりに偏らず、

今一番ふれ合う「べき」人を

自分で選べるという。

 

でも皆さんにぜひ聞きたいんですが、

「列グリ」と「フリーグリ」

ぶっちゃけどっちの方がイイですか?

中には、以前列方式でグリしてた頃

よく会いに来てくれてたんだけど、

フリーになってから声掛けづらくなって

ちょっと疎遠になっちゃってる人も

いたりするので💦

皆さんのごく個人的な考えで構わないんで、

忌憚のない意見をぜひお聞かせください