暑寒メロン物語⓪~ハウス準備&鉢上げ編~

カテゴリ/雨竜町

もう5月に入っちゃったけど💦

3月末の雨竜の話、まだちょっと残ってます。

今回はこないだの雨竜米同様、

暑寒メロンの「エピソードゼロ」編を😉

ちょっと長くなりますが

どうぞお付き合いください

 

ブログをさかのぼると、

暑寒メロンの話を最初に紹介したのは

去年5月中旬の「定植」編でした。

鉢で育てたメロンの苗を、

ハウスの中に植え替えてく作業ですね。

じゃあその前は一体どんな作業があるのか…?

今回もコチラに向かいました💨谷本農園。

去年の9月頭以来久々ですね〜😊

後ろに並ぶのはメロン用のビニールハウス。

まずコチラから説明しますが、

冬の間このビニールハウスは…こんな感じで骨組みだけの状態↑

これが2月中旬くらいになると、

そろそろ準備作業が始まります。

ご覧の通り、このハウスは長さなんと100m

この規模のハウスにビニールを掛けるのは

かなり大変な作業になるので、

完全に雪解けする前の2月中旬頃、

肩ぐらいまでまだ雪が積もった状態で

1回ビニールを上に掛けて、

それを上で括っておくそうです。↑こんな感じ。

そして2月下旬になったら雪ハネを始め、

3月上旬にこの上で縛ってるのをほどいて

ビニールを掛けていく、という流れ。この黒い「ハウスバンド」で

ビニールを固定してくんだけど谷本さんに縛り方を教わって…ちょっとだけお手伝いこんな感じで地面に固定します↑

 

冬が終わってビニールを掛けたハウス内は

こんな状態↓まだマッサラ。

ビニールを掛けた後は土を乾かすために

しばらくそのまま置いておきますが、

その後は肥料をまいて、土を起こします。↑コレがそこまで終わったハウス内。

青く見える線は「潅水(かんすい)チューブ」

といって、水を送るチューブですね。そしてその上に小さなハウスを建てる。この小さなハウスは二重になってて、

上の大きなハウスも併せると

「三重ハウス」の構造になってます。

春先はまだ夜温が氷点下になる場合があるんで、

そのための保温対策というワケですね↑の写真、地面に黒い線が3本ありますが

コレも保温のための熱線。

谷本さんのハウスは特に早めの植付なので、

三重ハウスでも夜温が保てない場合のために

こういう対策もしてるそうです。

何か月も先の旬の季節に

しっかり美味しいメロンを出荷するために、

いろんな工夫をしてるんですね

 

さて、こうしてハウスの準備を進める一方、

肝心のメロンの苗も準備が必要🍈というコトで、今度は育苗ハウスへGOコチラが3月末時点での苗の様子。

現在暑寒メロンは「クレセント」

「G-123」という2品種を使ってますが↑コチラが「G-123」の苗。↑そしてコレが「クレセント」右側のG-123は「接ぎ木」してるんで、

パッと見で違い分かりますよね?

G-123は早めの6月末から、

クレセントは7月中旬からと、

出荷時期によって品種を使い分けてます。ちなみにこの苗、種の状態から

各農家で育てるとなると

発芽が悪かったりして管理が大変なので、

雨竜のメロン農家さんの場合は

町の「育苗センター」という場所で

芽出しまでしてもらってるとのこと。

そして3月下旬(今年の場合3/24)に

センターから第一弾の苗を引き取るんだけど、

その前、3月中旬からは苗を移し替える

鉢の準備に入るそうです。

↑コチラが育苗センターから引き取った苗。

「セルポット」と呼ばれるこの容器に

種を蒔いて発芽させるんですね🌱

僕が取材した3月末(3/29)は、

ちょうどコレを各農家で用意した鉢に移し替える

「鉢上げ」という作業の真っ最中。セルポットで育った苗は…こんな感じでまだちっちゃ~いコレをこの鉢の、穴を開けた部分に

移し替えてくのが「鉢上げ」。谷本さんの奥様にやり方を教えてもらって…実際にやってみる決して難しい作業じゃないんだけど、

苗がまだちっちゃいんで慎重に…💦苗が曲がらないように穴ボコに挿していきます。こんな感じでどーでしょ?↑

苗は育苗センターで種まきしてから

10日目くらいで農家さんが引き取って、

各農家で20日くらいの育苗期間を置いてから

ハウスに定植してくそうですよ。

で、その後がコチラに続いてく、という流れ↓

暑寒メロン物語①~定植編~

暑寒メロン物語②~成長編~

暑寒メロン物語③~収穫編~

暑寒メロン物語④~選果編~

暑寒メロン物語⑤~雨竜小収穫編~

5月初めの今頃はちょうど、

一番早く定植した苗がもうすぐ開花を迎え

近々一番遅い苗の定植作業に入る、

そんな時期にあたるんじゃないかな?

 

ちなみに育苗ハウスの一角に、

こんな鉢もありました↓「FG0403」とか「フェリーチェ」って

札が立ってますね。

これは今後に向けた新品種の試験栽培だそうです。暑寒メロンは甘いし見た目もキレイだけど

今は良くても、実はこの状態が

10年後もずっと続くという保証はないらしい

農作物は高温障害や連作障害などの影響で

形が変わってきてしまったり

作りづらくなってくる可能性があるそうで、

どうしても化けてしまう品種がたまにある。実際谷本さんはメロン農家をやって

約20年になるけど、当初の品種で

今もそのまま残っているものは

ひとつもないそうです。

今回はこの2品種を候補に育ててみて、

出来上がったら実際に試食もして

作りやすいか作りづらいか、

そして何よりも味がどうかなどで

良し悪しをメロン部会の役員内で

判断していくそうですよ。

こうして常に試験栽培を繰り返しながら

新たな品種が暑寒メロンとして出てくるのが

今までの一連の流れなんだとか。

暑寒メロンのブランドを守るために

常に探求心を怠らない。

こうした地道な努力が、何と言っても

美味しい雨竜のメロンの源なんですね

1年間にわたった暑寒メロンの取材も

これにて一通り終了。

改めて、谷本貴志さん・慧美(えみ)さん

ご夫妻には大変お世話になり感謝です

皆さんのメロン作りに対する想い、

ちょっとでも伝わればいいな

最後に谷本さんに

「コレでいつでもウチで働けるね♪」

って声掛けてもらったけど、

仕事に困ったらマジでお世話になろうかな(笑)。