前回の続きになります。
お昼に幌加内そばをいただいた後、
町内のとある人に会うために、
コチラに向かいました↓
そばの坂本。
市街地からは車で10分弱くらい。
辺り一面そば畑が広がる中に
真新しい店舗?工場?がありました。
↑お出迎えいただいたのはこの方、
坂本勝之さん。
今回のプロジェクト主宰者・石川朋佳さんが
そば打ちの師匠と慕うそば職人さんです。
優しい笑顔で出迎えてくれた坂本さん。
石川さんもなんだか嬉しそう![]()
この日はちょうど、近くにある「沼牛駅」で
石川さんが中心となって開催している
「めぐるそばの物語」という写真展の最終日。
みんなで一緒に駅に向かいました。
「車で行く?」って聞かれたけど、
徒歩6~7分くらいの距離みたいなんで
せっかくだし坂本さんとお話ししながら
歩いて駅に向かうことに![]()
駅へ向かう道すがら、
坂本さんはいろんな話をしてくれました。
今は一面そば畑の広がるこの道沿いには、
昔はずっと家が立ち並んでいたそうです。
御年82歳の坂本さんは
産まれも育ちもずっとこの沼牛地区。
今は人口1,200人ほどの幌加内町ですが
最盛期には今の10倍くらいになる
13,000人ほどが住んでいたと言います。
この辺のそば畑も昔は一面田んぼで、
お米を作っていました。
それが昭和45年(1970年)から始まった
国の減反政策によって
そば畑へと変わっていったのです。
しばらく歩いて左に折れると
向こうに駅が見えてきます。
つまり、ここは昔の「駅前通り」。
「昔はあそこにパチンコ屋があったんだよ」
「ココに郵便局があって、
あの辺には消防署もあって…」
坂本さんが昔の様子を教えてくれました。
駅側から見るとこんな感じ。
まだ家が何軒か建っていますが、
人の住んでいない廃屋もあります。
昔の面影を残す、駅前の農業倉庫。
北海道、特に道北方面には結構こういう
人のいなくなった「駅前通り」があるけど、
昔からそこに住む人の話を聞きながら歩くと
往時の風景が目に浮かぶ気がしますね…![]()
というコトで「沼牛駅」に到着。
かなりレトロな駅舎です。
さっきから「駅」と呼んでますが、
今は幌加内には鉄道は通っていません。
ココは昔、深名線(しんめいせん)
という路線の駅だった場所。
深川と名寄を結んだ深名線は
国鉄が民営化された後も
しばらく生き残ってたけど、
今から29年前の1995年に廃線に😢
しかしその後坂本さんが駅舎を譲り受け、
築80年以上になるこの建物を
約20年間お一人で守り続けてきたんです![]()
幌加内は道内でも有数の豪雪地帯⛄
その中での維持作業は大変だったでしょう。
でも、そんな坂本さんを支えたのは
「いつか駅舎のスペースを活用して
そば仲間達と自分たちの手打ちそばを
振る舞ってみたい」という夢への情熱でした。
そしてその想いに賛同する仲間も増え、
クラウドファンディングなども経て
今の状態まで駅舎が甦ったんです![]()
まだ残ってますが、
そちらにも坂本さんの熱い想いが
綴られてるんで、よろしければご一読を![]()
駅舎の中はこんな感じ↑
昔のままの時刻表や運賃表。
そしてだるまストーブ。
この世界観…メチャ惹かれます![]()
↑コチラは駅舎と繋がってる駅長室
…と言うか駅長さんの住宅?
ココまで残ってる駅舎は珍しいみたいです。
ちなみに鉄道好きとして知られる
今話題の石破さんも、以前ココを
訪れたことがあるみたいですよ![]()
駅舎の壁にはそばの写真の展示。
これはそば製粉の時に出る「そば殻」。
廃棄されてしまうことも多いけど、
石川さんが今なんとか活用して
製品を作れないか模索している素材です。
沼牛駅が復活していくプロセスの
写真も展示されてました!![]()
ホームに出るとこんな風景↑
まだ昔のレールが敷かれてた路盤が
面影残してますねー。
この駅も、昔は列車を乗り降りする
人達で賑わってたんだろうなぁ…。
こうしてノスタルジーに浸ってると
あっと言う間に時間は過ぎていき…
そろそろ帰る時刻となりました⏱
坂本さんは僕のこと
スゴくリスペクトしてくれて、
「コレだけの身体を維持するのは
並大抵の努力じゃできないよね~」
などと仰ってくれてます
↑
初めて会ったのに初対面とは思えない。
人…もといくまをも引き込む
本当にフシギな魅力を持つ方でした。
石川さん・坂本さんの
「師弟」と並んで歩く帰り道。
石川さんがそば打ちの師と仰ぐ
坂本さんとの出会いは
高校時代にさかのぼりますが、
坂本さん曰く石川さんはその当時から
光るモノがあったそうですね![]()
今の石川さんがあるのは、
「聞く耳」と「努力」のお陰だ、と。
昔より寂しくなってしまった故郷だけど、
特産品のそばを活用して
なんとか輝きを取り戻したい![]()
まだまだ元気な坂本さんですが、
残された人生はこの基盤を
強化するために捧げたい、と言います。
それに対して
「まだあと40年は頑張ってもらわなくちゃ!」
と返す石川さん(笑)。
師弟の固い絆を感じるやり取りでした![]()
そしてお別れの時。
なんだか別れがたくて思わずハグ。
泣きそうになったのはナイショです😢
帰り際、「二八生そば」と
「そば蜂蜜入り生キャラメル」を
お土産にいただきました♪
帰って早速いただきましたが、
そばはもちろんのこと、
生キャラメルも超・絶品!![]()
今度ぜひまた購入させていただきます!
皆さんにも絶賛オススメしますので、
ご興味ある方はコチラをチェック!
僕にとって坂本さんと会った1時間は
まるで夢を見ていたような
フシギな感覚の残る時間でした。
道内を旅してると、時々こうして
深い魅力を持った人に出逢います。
坂本さん、またいつか会いに行きますね![]()
そしてあと40年、120歳になるまで
現役でバリバリ頑張ってください!![]()
帰り道、なんだか幌加内を離れがたくて
国道沿いにあるいくつかの
ビューポイントへ向かいました。
↑ちょっと赤っぽいのが収穫後のそば畑。
そばの収穫は9月中旬がピークだそうで、
ほとんどの畑では収穫が終わった後でした。
13年前、そばの花の最盛期に
撮った写真がコチラですが↓
同じ場所、同じアングルで撮ってみました![]()
…同じ場所で撮ってるハズなんだけど
何かビミョーに違うな~…![]()
そばの花が満開を迎えるのは8月上旬頃。
それはそれは見事な風景なので、
皆さんもぜひ訪れてみてくださいね!![]()