除角実習。

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前回に引き続き、今日も中標津農高のお話。

学校案内をしていただいた翌日、

何やら興味深い実習があると言うコトで

再び農高に向かいました。実習が行われたのはコチラの牛舎。

内容は「除角実習」なるモノです。

 

「ジョカク」とは…読んで字の如く、

牛のを取り作業のこと。

牛はオス・メスともに角が生える動物。

基本的に牧場で飼わないオスは別として、

雌牛は角が伸びると搾乳の時に危険が生じたり、

気性が荒くなったりするので、

まだ仔牛のうちに角を根元から

取ってしまう必要があるんだとか

今日はその作業を、高校生が

自分達の手でする実習なのです。

まずは獣医さんが到着。今回除角の対象になるのは、

生後約2ヵ月のコチラの仔牛。

獣医さんが全身麻酔を打ちます。その後、角の周辺の毛を

バリカンで剃っていき…5分ほどすると麻酔が効いて、

仔牛はこんな状態に↑

 

今回参加する生徒たちは、

生産技術科酪農コース2年生の面々。

準備が整ったところで

いよいよ除角作業の始まりですが、

生徒達がガスバーナーで

何かを熱し始めました🔥この棒は「デホーナー」といって

牛の角を切り落とすのに使う道具。

…って!

もしかしてコレを牛の頭に当てるの?驚く僕をヨソに、早速除角開始。

グッタリと横たわる仔牛の角の根元に、

真っ赤に熱したデホーナーを当てる生徒。激しく立ち上る煙と、

辺りに立ち込める焦げ臭い匂い…💦かなり衝撃的な光景でした…💦💦片方の角の除角が終わると、

傷口に消毒薬が塗られます。そして今度は反対側。仔牛ちゃんはまだ眠ったまま…😢再び始まる除角作業。

一層激しく立ち上る煙と焦げ臭さ…🔥間近で見ると、本当にこうやって

角にデホーナーを当てて

根元をえぐってるんですね…

 

最後の方、牛の麻酔が切れかかったみたいで

ちょっとハラハラしましたが💦

こうして無事、両方の除角が終了。これが除角終了後の傷口の様子↑そして取り除かれた角の一片。キミ大丈夫だった…?

作業終了後、実習内容について

先生からのフォローアップがありました。

初めて見た除角はかなり衝撃的で、

まだ小さな仔牛にこの作業をするのを

「むごい…💦」と思われる方も

いるかもしれません。

しかし、牛の角は伸ばし続けると

中に血管が発達していって、

大きくなってから切ると

大量の出血を伴うことになるし

感染症のリスクも高くなるので、

まだ生え始めの今のうちに

取ってしまう必要があるんだそうです。

また成長してから痛い思いをすると

人間を怖がるようになってしまうという

理由もあるみたいですね。

実はこの除角作業、通常の酪農家などでは

麻酔を打たずに行われることも多く、

そうなると当然牛にとっては

かなりの激痛を伴うことになります💦

また作業する側の人間も、

牛に蹴られてケガをしたり、

デホーナーが体に当たって火傷したり

する可能性もあり、大変危険

なので動物愛護の観点からも、

人間側の安全面からも、

こうして費用と手間をかけて

麻酔を打ってから作業するのが

本来理想的なのです。

除角は角の根元を焼き潰してしまうので、

一度やってしまえばもう一生

角は伸びてこないんだとか。

除角は人の安全にとっても必要な作業だし、

角が伸びた後牛同士ケンカしたりすると

ケガをする危険もあるので、

牛の安全にとっても必要なことなのです

生徒達にとっても心の痛む

作業だったかもしれないけど、この方が

人間と牛、お互いにとって幸せになる。

こういうことも含めて、

人間に生活の糧を与えてくれる

動物たちへの感謝を忘れないように。

と、先生が生徒達に向けて

語っていたのが印象的でした

除角が終わると、牛が牛舎に戻って来る時間。

実習を終えた生徒達が敷き藁や

エサの準備を手際よく進めます。お腹を空かせた牛たち、

入口まで来て待ち構えてましたが(笑)

ゲートが開くとダッシュで戻って来る バリバリ、ボリボリ…と

実に美味しそうにエサを食べます食べ散らかしたエサを

キレイに元に戻す生徒たち。一方その頃、除角を受けた仔牛ちゃんは、

まだ呆然と?寝そべってました

麻酔切れたらやっぱり痛いんだろうなぁ…😢

立派な乳牛に育ってほしいですね。

ちなみにこちらが、搾乳したミルクを

入れるタンク。そしてこれが搾乳器。

農高の乳牛は8頭しかいないので、

大規模な酪農家にある搾乳システムと比べると

かなり小型のモノになります。

乳牛も近年は身体がどんどん大型化

してく傾向があるそうなんだけど、

昔ながらの農高の牛舎にはサイズ的に

収まり切らないそうなので、

ここの牛たちは一般の牧場よりも一回り

身体が小さいそうですよ牛舎の作業が終わると、

余った時間生徒たちは外の草刈り。

こういうところも常にしっかり

手入れが行き届いている。

さすが農業高校ならでは、ですね

 

中標津の滞在はまだ続きますが、

明日は1日だけ芽室で

FOOTSTEP FUNDに参加です

農高の話題はまだあるんで、

また改めてお話ししますねー!