【EZOlogical】ヒグマとの共生・その1。

カテゴリ/SC活動

来年度の予想クイズ、

たくさんのコメントありがとうございます!

それについてはまた近日中に

続編やりたいと思いますが、

今日はまた別の話題を。

時たまやる「社会派」な話になります

結構濃い~話なんで何回かに分けるけど、

何回になるかは…書きながら考えます

どうぞお付き合いのほどを

 

さて、ちょうど1ヵ月前になりますが

コチラに取材に行った話

覚えてる人っているかな?↓北海道立総合研究機構

通称「道総研」(どうそうけん)

水産業・工業・環境・地質…などなど

幅広い分野の研究開発を行ってる

道立の研究機関ですね。

前にも「ヒグマセミナー」

お世話になってます

このヒグマセミナーはSC活動のひとつ

「EZOlogical」(エゾロジカル)

の一環としてやったんだけど、

最近僕的にはこの活動から

ちょっと遠ざかってまして💦

ただ、ヒグマを巡る課題は最近

社会問題化してる結構ホットな話題。

今後の活動に繋げるという目的も含めて、

一度詳しい話を聞きに行きたいな、と思って

今回の取材が実現しました!

お相手いただくのはこちら、

「道総研ヒグマチーム」の5名の方々。

写真向かって左から間野 勉さん・

釣賀 一二三さん・白根 ゆりさん・

三浦 一輝さん・そして日野 貴文さん。

最近ヒグマ関連のニュースがあると、

新聞記事なんかでも名前をお見かけする

スゴい方達なのです!

いや~ちゃんと話聞けるのかな…?

ちょっと緊張💦

さてこのヒグマチームの皆さん、

日頃どういったお仕事されてるかと言うと、

北海道庁の作った「北海道ヒグマ管理計画」

という計画に書いてある内容を

実際どうやって進めていくかを、

科学的見地からフォローしていくための

研究をしてる方々なのです。

つまり、捕獲されたヒグマの

DNA解析なんかをしたデータを基に

道内にヒグマが何頭いるかとか

個体数がどう変化してきたかなどを調査して、

ヒトとクマとの間にどういった

軋轢(あつれき)があって、

それをどうやって抑えていくかの

手法を研究してる訳なんですね。

さて、道民の皆さんならご存知の通り、

クマが市街地に出没したり

クマによる人身事故が起こったりすると、

道内では結構大きなニュースになります。

特に最近そんなニュース増えたな~…

って印象、強くないですか?💦

実際のところ北海道のヒグマを

取り巻く現状ってどーなんでしょうか?

まずはコチラのグラフをご覧ください↓棒グラフの部分がヒグマの年別捕獲数

そして折れ線グラフがヒグマによる農業被害額

前者は捕まったクマの数なんで

厳密には道内に何頭いるかとは違うけど、

大体クマの数がどう変わってきてるかの

目安にはなるかと。

この棒グラフ、つまりヒグマの数の部分、

最近かなり増えてますよね💦

そしてデータが残ってる一番昔の

1960年代には結構多かったのが、

一旦減ってまた最近増えてるのがわかる。

コレってナゼなんでしょうか?

実はこの現象、ちゃんと理由があるのです

そこで出てくるキーワードが、

「春グマ駆除」「春期管理捕獲」

似たような名前だけど、内容は全然違う。

北海道で新聞とかよく読んでる人なら

聞いたコトあるかなぁ?

道外の方には何のことやらかと思うんで、

説明しますね

その昔、高度経済成長の時代には

ヒグマによる被害は顕著でした。

そこで1966年(昭和41年)から

ヒグマを撲滅するための政策の一環として

「春グマ駆除」という対策が行われたんです。

雪解け前の初春の季節に集中的に

クマを捕獲する、というモノですね

なので、↑のグラフの左半分で

だんだん捕獲数が減ってるのは

明らかにその影響。

どんどんクマを駆除してったんで、

人身被害や家畜の被害は大きく減りました。ところがその一方、道内の一部では

クマが絶滅するんじゃないかと

言われるくらいまで

数が減ってしまった地域もあったんですね💦

そして自然環境に対しても

「このままで良いの?」という

世間的な意識の変化があったりして、

「撲滅」から「共存」へと方針を転換。

こうして1990年に、

春グマ駆除は廃止されたのです。

そしてその後は、クマによる被害が出たり

クマが人里に出てきて危険!って場合のみ

都度駆除する形に変わって、

人間が山の奥までクマを追い詰めて

捕るようなことはほとんどなくなりました。

こうして人間への被害がない限り

踏み込んだ対策をあまり取らないまま

約20年が経過。

その間ヒグマの数は、緩やかに

増えていくことになります。

単純に駆除される数が減っただけでなく、

「捕り方の変化」が

クマが増えた一因とも言われてて、

それまで春グマ駆除では

オスメス区別なく駆除されてたのが、

農業被害を出すクマだけ捕るようになると

駆除の対象はオスが多くなって、

結果メスが生き残る比率が高くなる。

すると、子どもを産むのはメスなので

クマの個体数が増えるポテンシャルが

高くなる、という理屈なのです。

こうして、かつて春グマ駆除で

追いやられたクマが戻ってきて

それに対して人間の側が驚いている、

というのが今の状況なワケですね

特に10年くらい前からは

札幌でも住宅地周辺でクマ出没!

ってニュースをよく耳にするようになって、

3年前には東区の住宅街にクマが侵入して

人身被害も出た、という事件もあって

覚えてる方も多いと思います。

そんな状況を受けて、ヒトとヒグマとが

共生していくための新たな試みとして

最近新たに始まったのが

前述の「春期管理捕獲」

…というコトですが、長くなるので

今日は取りあえずココまで!

皆さん付いてきてくれてますか~?